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マスタデータについて 病院マスタ その②

マスタデータについて 病院マスタ その②

各社の現状

医療機器業界の各メーカー、販売会社・卸では、マスタをどこかから購入しそれを自社でメンテナンスしています。定期的に購入するところは少なく、何年か前に1回購入してそれを元に自社で情報を入れているところが多いように思います。実際のところ分析までできている会社は少ないので、情報はバラバラで古く、重複データもたくさん存在しているのですが我慢しているという状況でしょうか?

社内のシステムも、病院マスタを有効利用できる仕組み、例えば基幹システム上でマスタを管理し、そのコードをBI(情報系分析システム、レポートシステム等)やCRM/SFA(顧客情報管理システム)と共有して渡し連携させているような会社は殆どないようです。進んだ会社でも、まさに今、とりかかっているという感じでしょうか。 確かにこの仕組みができれば、社内のバックオフィス(経理・販売管理・購買等)だけでなく、営業担当と情報をやり取りすることができ、効率的です。

また、状況的に良くないのが、会社間のやり取り、特にメーカーと販売会社・卸とのやり取りです。前述のとおり、各社がバラバラの病院コードを持っているため、EDI(インターネットを通した受発注)等を使うためには、各社で読み替えロジックを社内システムで持つことになります。もともと、数万単位の病院コードを、各販売会社・卸毎に読み替える訳ですから、何10万、何100万のレコードとなる訳です。各メーカーはこの仕組みの構築と、メンテナンスをマニュアルで強いられており、病院名称の変更・統合・廃止が多い最近の状況では、メンテナンスが大変です。 解らないコードがあれば、都度問い合わせて病院名を確認し、データをメンテナンスする必要があります。それを各社が行っている訳ですから、業界的な労力の無駄は莫大です。

あるべき姿

一番、理想となる姿は、業界共有マスタではないでしょうか? 業界全体で同じ情報を利用可能なわけですから、診療科や病院機能も含めて一つのマスタをクラウド上(インターネット上)で管理し、各メーカーや販売会社・卸はそれにアクセスして利用する。メンテナンスは、インターネットで自動的に収集してくる情報と、各社が個別に調べている情報が自動的にアップデートされる形が美しいです。 この仕組みがもう一つ進むと、クラウドに接続された各社のシステムが、取引関係も全てクラウド上で行うことができ、業界のビジネスを2,3つ高いレベルに引き上げるものです。 実社会のビジネス(営業、流通等)とは別の次元で、ビジネスプラットフォームがあることになります。

なかなか、業界共通マスタとはいかないでしょうが、将来は必ずこの方向に進むと確信しています。 どうせこの方向に進むなら、どこよりも早く進み他国、他業界より一歩先を進みたいものです。

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