医療機器業界の現状
医療機器各ベンダーは自社が販売したデータに限って、取引のあるディーラーから月次で購入していますが、これはマーケティングデータというより、自社顧客の情報収集というところです。マーケットデータとしては、アンケート調査をベースにした市場分析データを提供している会社がいくつかありますが、IMSレベルとは比較にならないものです。
医療機器業界でマーケットデータを準備されていない主な理由としては、大手ディーラー4,5社で8,9割のトランザクションを占めてしまう医薬に比べ、医療機器は、大手ディーラーといっても10%未満で、何百ものディーラーを集めても医薬と同じデータにはなりません。規模が小さなディーラーが多いため、データの質にも問題があり、そのクレンジング(修正・加工)をする工数も莫大になるのも見えているため、ビジネスになっていないのが現状のようです。
将来への期待
なかなか厳しい医療機器業界ですが、近年、業界が厳しくなってきている現状もあり、ディーラー各社の合併・連携や、新分野への進出等、動きが出てきています。また、データを作成・管理するプラットフォームになるシステム環境については、この10年で大きく変わりました。 アマゾンやグーグルに代表されるような、クラウド型のサービスが安価で便利に提供され、ハードウェアの価格も何十分の一になって来ています。
それを踏まえ、これから先の10年で大きく変わるのではないかと思います。 その原因となるのは、一つは、クラウドを使ったディーラー、メーカー各社の連携、もう一つは分析技術の進歩です。 この2つを使った新サービスにより、どの企業も安価でデータにアクセスし、そのデータを分析することで、より効率的なマーケティングや営業活動が可能になると思っています。
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