Sell Out(実消化・納入実績) データの活用には、大きく次の二つあります。
- 営業担当の評価に使う
以前は、Sell in データを利用し、営業担当の評価をしていましたが、現在は、Sell Outデータを使い評価するところが多くなっています。担当の医療機関への売上実績を出し、営業担当に割り振られた目標と比較して期末の評価に使います。
- マーケティングに使う
各製品がどの病院に納入されるかを確認します。医療機器業界では、マーケティングデータというのが実質、存在しません。 その点、医薬業界はIMS社等販売会社もありますし、2016年10月から厚生省がNDB(ナショナルデータベース)として、各製品の利用状況がつかめるようになってきました。 マーケティングデータが存在しない医療機器業界では、他社比較や業界でのシェアを表す手段は、リサーチ会社が一部出しているものぐらいですので、情報を活用するしか手はありません。 よって、製品/病院グループの切り口で、Sell in データを各病院への納入状況を追っていきます。
ただ、このデータもそのまま使えないこともあり、調整が必要となります。
・ 価格グループ(MCH等サービス)の利用が増えてきていて、ディーラーも病院への納入実績を出し難くなっている。
・ ディーラーが他のディーラー(2次店)を通して病院に販売するケースが増え、納入実績が出し難くなっている。
・ メーカーからの販売単位が”箱”の場合、ディーラーがその中の”個”の単位で納入する場合が多い。 等
データを活用する上では、通常、BIシステムやレポートシステムを使っています。使う仕組みも、営業担当と共有する場合と、マーケティング担当等、一部の人が細かく分析する場合とにより、ツールを変えていることが多いようです。
- 営業担当との共有
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- Salesforce®等CRM/SFAツール上で共有している会社は多いようです。
- 又は、レポーティング形システム(Dr.sum等)で共有します。
- 最近ではヴィジュアル系ツールの利用し、簡単な分析ができるようになりました。 マイクロソフトも無料のBIを出しています。 ※Power BI 弊社サービス
PowerBIの例
Microsoft Power BI ※こちらをクリックするとセルフ分析ページに飛びます。10秒ぐらいかかります。
- マーケティング担当での分析
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- エクセルやアクセスで行っているところもあります。実際、かなりのことができます。
- ここ10年、メジャーな各ソフトウェアが進歩している感があります。(SAS, Cognos, Business Object等) 金額的にも高いため、大企業での限られた利用が多いようです。
- ビックデータに利用するツールSPSS等の利用はそれほどないようです。
ビッグデータとまではいきませんが、今後、マーケティング担当等本社スタッフだけではなく、営業担当もデータを活用する必要が出てきます。特に包括ケアを中心した各エリアでの医療機関の動向により、自社製品が基幹病院だけではなく、介護施設や、診療所、在宅まで広がっていきます。 それも、現在は各エリア毎に違う動きをしているため、営業担当は自分の担当領域の医療機関の動きを掴み、先読みしたアクションを取る必要が出てきます。そのためも、データ活用に力を入れて取り組む必要があります。
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